活動報告(2007年度)                          

 いわき環境研究室の活動をご紹介いたします。

 国道289号荷路夫バイパス・エコロード研究会への参加

 福島県が福島県いわき市田人町荷路夫地内で建設中の 「国道289号荷路夫バイパス」は、自然環境との共生を目指す エコロード として整備が進められています。
 この事業では、計画の段階から地域住民が参加し、道路が単に通過交通をさばくためだけの公共施設ではなく、様々な機能を持った “地域地域の財産” という視点でとらえようとしています。
 沿道付近に棲息する動物のロードキルを回避し、もともと自生していた植物や棲息生物の生態系を保全できる道路の建設と将来のよりよい維持管理を確保しようと、事業者である福島県だけでなく、3つのNPOが協力し合って “ジョイントNPO” という形態で事務局(福島県)と合同で研究会をつくり、地域住民の皆さんと一緒になって将来像を描いて活動中です。
 2006年度までは事務局とジョイントNPOとで運営してきましたが、事務局は建設工事の事業者でもあり、工事以外の折衝に時間を割くことが大変なため、2007年度からはコンサルタントに委託し、パシフィックコンサルタンツ株式会社 東北支社 がとりまとめを行っています。
 3つのNPOは各々得意分野をテーマとして、
  • ロードキルを防止し、自然と共生できる道路構造の設計にアドバイスを行うことを主とする エコロードデザイン分科会
  • 在来の植生を活かしながら沿道住民の生活と調和した緑豊かな道路環境の実現を目指す 広葉樹復元分科会
  • エコロード完成後の管理や活用に関する地域の取り組みを実効性あるものにし、将来の広域連携を視野に入れた 住民参加・地域連携分科会
 という3つの分科会を持っています。
 エコロードデザイン分科会は、NPO法人ふくしまワイルドライフ市民&科学者フォーラム が、住民参加・地域連携分科会は 情報デザイン工房が担当しています。
 当NPO法人いわき環境研究室は、2006年度まで NPO法人いわきの森に親しむ会 が担当してきた 広葉樹復元分科会 を2007年度から担当することになり、すでに以下のような活動参加をしています。

 第11回 エコロード研究会

2007.11.01
 いわき市田人支所会議室にて開催。
 昨年度までの経過と道路建設工事の予定について事務局(福島県)説明があった後、2007年度の取り組みについて話し合いました。

 試験植樹モニタリング調査

2007.11.03
 現地にて実施。
 昨年度試験植樹した道路法面植栽の苗木について、生育状況を調査し、植樹した樹木が所期の目的を果たしているかどうかを確認するとともに、苗木が成木になるまでの管理方法を検討して今後の植樹計画に反映させることを目的に実施しました。

 2007年度 第2回広葉樹復元分科会

2007.12.07
 いわき市フラワーセンターにて開催。
 次回のエコロード研究会で報告・協議する内容について、事務局 ・ コンサルタント ・ 当NPO法人の3者で会議を持ちました。
 主な議題は、 先に行った先に行った試験植樹モニタリング調査の結果報告と、広葉樹復元のための植樹方法、地域住民参加による維持管理方法、「広葉樹復元計画書」の素案づくりです。

 第12回 エコロード研究会

2007.12.21
 昨年に引き続き、小川町福岡地区の「福岡・環境を守る会」からの依頼により、農地・水環境講座(地元のタイトルは「第2回夏休み・自然の生きもの観察会」)を開催しました。今回は2回目ということで、守る会代表との事前打合せにより、取水口になっている加路川(夏井川の支流)とそこから農地まで引いている用水路を観察対象に加えることになりました。
 真夏でも涼しい山中を用水路に沿って歩くと、かなり上流から清冽な水を延々と水路をつくって農地まで導いた先人の偉業を地元の子供たちとその父母に知ってほしい、という守る会の熱い想いが伝わってきました。福岡地区へ出てからは、炎天下で農業排水路の中に入って生きもの調査を行い、加路川に棲む生きものと種類が違うことを学びました。
 その後、集会所でそれぞれの地点から採水した水の水質試験を行い、最後にPower Pointを使いまとめのお話をして、福岡がいかにきれいな水に恵まれた地区であり、将来にわたって守らなければならない環境を再確認しました。

当会について

リンク



シンボルマーク

 

全体の形は水面に落ちた水滴を表しています。 水は環境の大きな要素です。内側の緑の輪は山、水色の輪は川、外側の濃い青の輪は海(太平洋)を表わしています。
福島県いわき地域は、山・川・海の3つを有する自然豊かな環境に恵まれています。また、いわき地域は “東北の湘南” とも呼ばれる温暖な気候で、日照時間が長いもの特徴です。マーク中央のオレンジの部分は、その太陽の光を"iwaki"の頭文字"i"で表わしています。
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