2020年10~12月のいわき環境研究室の活動紹介 

2020年10月~12月のいわき環境研究室の活動リスト
NPO法人いわき環境研究室関係(自然エネルギー関係含む) 
 2020年10月13日 いわき海星高校第1回目学習支援実施(神白川/梅田川自然環境調査) 0E1
2020年10月20日 いわき海星高校第2回目学習支援実施(下神白海岸鳴き砂・空間線量調査) 0E2
2020年10月27日 いわき海星高校第3回目学習支援実施(廃プラ分別実験)0E3
2020年10月28日 平四小第3回目学習支援実施(遡り水車の製作と競争)0E4
2020年11月4日 平四小第4回目学習支援実施「川と私たちのかかわり 洪水~川は生きている」0E5
2020年11月25日 好間四小4回目学習支援実施「川と私たちのかかわり 洪水~川は生きている」0E6
2020年12月3日 自然エネルギー先進地視察(日本大震災・原子力災害伝承館など)0E7

第1回いわき海星高校環境教育支援講座の実施
(0E1)

 10月13日、第1回いわき海星高校環境教育支援講座を行いました。受講対象生徒は海洋科2年生23名で、昨年度に比べ、2倍近い増加です。最初に橋本理事長より、資料「神白川流域の水環境を考える」により、水環境調査の目的、方法などの説明を行いました。その後、神白川組と梅田川組に別れ、海星高校近くの神白川と梅田川の採水、流速調査などを行いました。 また、神白川と梅田川の合流直前の景観状況(水しるべの基準準拠)を実施しました 学校に戻り、事前に採水しておいた各河川の上流部と河口部を含めた6箇所の水質(COD、導電率、透視度、におい)について水質分析をしました。分析結果は各地点毎にレーダーチャートに記入し、各グループの代表が掲示し、地点による違いをチェックしました。
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第2回いわき海星高校環境教育支援講座の実施
(0E2)

 10月20日、いわき海星高校で、第2回目の環境教育支援として、下神白海岸での鳴き砂と空間線量調査を行いました。
 この日は久しぶりに晴れ、良い日和でした。本会から6名、いわき鳴き砂を守る会から4名の計10名が支援しました。最初に鳴き砂を守る会の桶田理事長より、鳴き砂の誕生と性質についての講義がありました。その後、学校に隣接する下神白海岸へ移動し、鳴き砂と空間線量の調査を行いました。南北方向に20m間隔で24定線を設定し、海岸方向へは10m間隔で測定し、多くの調査データが集まりました。 調査中に次回の廃プラ分別実験材料とするために、廃プラスチックを採集しました。また鳴き砂、鳴かない砂の場所別に50㎝の深さまで、10㎝間隔で砂を採集し、層別の放射線量を調査しました。その後学校に戻り、砂に付着している汚れを調べるために、洗浄水のCOD、透視度などを測定しました。 また、砂の粒度分布も測定しました。
 下神白海岸の鳴き砂、空間線量調査結果は、陸側があまり鳴かず、線量が高い傾向にあります。海側に行くほど、良く鳴き、空間線量も低くなっています。海側は線量の低い海流で砂が頻繁に洗浄されることで、線量が低く、良く鳴くようになっていると考えられます。(測定結果は下記の図表を参照下さい)
 
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第3回いわき海星高校環境教育支援講座の実施
(0E3)

 10月27日、いわき海星高校で、第3回目の環境教育支援として、下神白海岸プラスチックごみの分別実験と、プラスチックごみの海洋汚染の実態とその改善・対策のための講義を行いました。 分別実験に用いたプラスチック細片は、第2回の鳴き砂調査の際にごみ拾いの一環として砂浜で採取したもので、プラスチックの材質により比重が異なることを利用して分別を行いました。この実験は昨年から行っていますが、分別の結果、今年もほとんどが海水より軽いものとなり、生産量に比して大きな割合となりました。結果からは、生産量の約半分を占める海水より比重の重いプラスチックは海中に沈んでいることが推定されます。 海中でのプラスチックの物理的、科学的被害が問題となっている今、被害を拡大させないためには自分たち一人一人の自覚と行動が不可欠であるということを実験を通して実感してくれたことと思います。 いわき海星高校における今年度の支援講座は今回が最後なので、全員で集合写真を撮り終了としました。
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第3回平四小環境教育支援講座の実施
(0E4)

 10月28日、平第四小での第3回目自然エネルギー学習支援を実施しました。 前年同様、「遡り水車の製作とスピード競争」をテーマとし、福島高専教員と平窪自然塾メンバーの協力を得て、総勢9名が支援しました。 初めに遡り水車について原理や作り方など説明を行いました。遡り水車は軸の太さや羽の枚数、羽根の形状によって遡りスピードが変わりますが、羽根の形状と羽根と雨樋とのすき間調整が大きな影響があります。 車軸は2種類で細いのは竹ひご(3ミリ径)、太いのは竹の箸(6ミリ径)で、それぞれの軸毎に速さを競いました。子ども達は羽根の先端をハサミで何度も調整していました。羽根の先端をカーブさせた羽根を作る児童もいました。羽根の枚数も3枚~8枚など工夫を凝らしていました。できあがった水車の遡り時間を測定し、調整により時間が短縮されることを喜んでいました。このようなことが我々支援者の望むことでありました。競争終了後、各組の太軸と細軸のトップ(計4名)から工夫した事など話して貰いました。その後支援者全員から子ども達が熱心に取り組んでいたことへの感想が述べられました。
 
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第4回平四小環境教育支援講座の実施
(0E5)

 11月4日(水)、平4小の第4回目の支援講座「川と私たちのかかわり、洪水~川は生きている」を行いました。  昨年の東日本台風では、平4小のある平窪地区近くを流れる夏井川が氾濫等し、多くの児童も甚大な被害を受けています。講座では、昨年度の台風とその被害の実態を振り返りながら、「川と人々とのつながり」について、スライドによる事前講座を行いました。 その後、分散して、下記4箇所で体験学習を行いました。
1)ジオラマ:一つの流域の中に、様々な土地利用や治水・利水施設等を組み込んだ「ジオラマ」(60cm×90cm、当会会員の和田隆作成)を用いて学習しました。降雨と川の流れ、土地利用と洪水との関係、流域全体で見て洪水にどのように対応したら良いか、危険が想定される箇所等についてジオラマを見ながら参加児童との対話を通して「川と私たちとの係り」について考えました。
2)森林の保水力:川の上流部の山林の保水力について2つの実験を通して学習しました。 山林と川の地形模型では、上流部の土壌と樹木に見立てた布の有無により下流の流量や流速に違いがあるか、山林が雨で飽和状態の時はどうなるかを実感してもらいました。 また、木の葉・腐葉土・2か所の土壌(背戸峨廊・石森山)を用意し、保水量の違いを調べ、土壌の保水量の大きさを確認ました。
3)川の流れ、洪水模型:川の流れ班では、2つの模型の説明と2つの実験を行いました。まず夏井川流域模型を使って流域について理解してもらいました。次に川の断面模型を使って堤防周辺の名称を説明しました。また河川の流量(降雨量)と堤防の高さの関係を実験により理解を深めました。最後に川の流れ実験では、大量に流水によって川岸の近くに置いた旗が倒れるのを見て歓声を上げて、楽しそうに取り組んでいました。自分で予想したとおりの順番で旗が倒れた生徒の得意そうな顔が印象的でした。
4)洪水時の対応方法(ソフト面):自分たちが住んでいる地域のハザートマップと避難場所の説明を受けました。非常時の持ち出しするものを各自が具体的に考え、リストアップすることは、よい練習になったと思います。

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第4回好間四小環境教育支援講座の実施
(0E6)

  11月25日(水)好間四小5,6年生9名を対象とした4回目の環境教育支援講座を開催しました。今回のテーマは、「川とわたしたちの生活とのかかわりを考える」でした。 趣旨は、昨年10月の東日本台風では、好間四小の側を流れる好間川を含む夏井川水系において大きな被害を受けました。このような豪雨が今後も想定される中、「川」の持つ特性や土地利用のあり方、災害時の避難のあり方等について正しい知識を身につけておくことが望まれます。 今回の講座では、様々な視点から「川」について、児童自らが主体的に考えられるよう、流域ジオラマや模型実験等を用意しました。 最初に、スライドにて好間川流域の概要とジオラマでの説明を実施しました。 その後、森の保水力、川の流れ、まとめの中で、先日の平四小で実施した避難時に児童達が考えた必要な品目が多数あったことも紹介しました。 森林の保水力実験では、森林の働きの一つである「保水力」について、山林と川の地形模型を使い、上流部の土壌と樹木に見立てた布の有無により流量や流速が下流部へ影響するかを同量の水を流すことで実感してもらいました。また、木の葉・腐葉土・2か所の土壌(背戸峨廊・石森山)を用意して保水量の違いを調べ、土壌の保水量の大きさを確認しました。 次の「川の流れ」では、①上流の降水量増加により、水位が上昇し、堤防から水が溢れる。堤防を嵩上げすれば溢れない。河川の堆積土砂排除により、河川処理能力が増え、堤防嵩上げなしでも溢れないことが分かる②砂で作った川の模型に水を流して実験した。川沿いに数本の旗を立てて、どこに建てた旗が最初に倒れるか、侵食・運搬・堆積の様子を楽しみながら取り組んでいました。③夏井川流域模型を使って、分水嶺を紐で結ぶことにより流域を理解してもらいました。右上の写真は支援者(撮影者除く)の紹介時で、使用した教材なども写っています。
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自然エネルギー先進地視察(日本大震災・原子力災害伝承館など)
(0E7)

   令和2年12月3日(木)自然エネルギー先進地視察のために双葉地域へ行ってきました。 曇り空で、風が弱く、12月としては暖かい日でした。9時30分出発予定でしたが、参加者14人が全員揃った5分前にバスは出発しました。大熊インターで常磐自動車道を降りて、大熊の町中を10年ぶりに通りましたが、多くの家屋が崩落したままになっていたのに驚きました。まだ東日本大震災の爪痕が残っていました。 予定どおりの10時40分に第1の目的地である東日本大震災・原子力災害伝承館へ到着しました。受付で入場料600円を支払って、宮城県から来た団体客と一緒に館内を案内していただきました。まず巨大スクリーンで災害前の双葉地域の生活やその後の苦難生活を知ることができました。円筒上の会場の階段を上がって、壁に設置した多くの思い出の品や写真をとおして、原子力災害の悲惨さを実感することができました。その中で福島県の死者が1614人で、関連死が2280人と関連死の方が圧倒的に多い点が特に気になりました。 お昼ご飯は道の駅なみえで摂りました。平日でしたが、レストランは満席に近いほど混んでいました。週替わり定食のシーフードフライを注文しましたが、結構美味でした。 午後から東京電力廃炉資料館へ移動しました。まず玄関ホールで集合写真を撮りました。次に東日本大震災時の福島第一原発中央管制室の様子をビデオで見ました。シアターホールでは地震発生から原子力事故と現場での対応をみることができました。最後に第一原発における燃料デブリの現状と汚染水処理について説明を受けました。 第3の視察地である木戸川漁協サケふ化場には3時に到着しました。渡辺健太郎ふ化場長から東日本大震災後の鮭の遡上数の激減と現在のふ化状況について説明を受けました。 夕方4時半・明るいうちに市役所前のバス乗り場に着いて解散しました。参加者には充実した視察であったと喜んでいただきました。
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