2021年10~12月のいわき環境研究室の活動紹介 

2021年10月~12月のいわき環境研究室の活動リスト
NPO法人いわき環境研究室関係(自然エネルギー関係含む) 
 2021年10月7日 好間四小第2回目学習支援実施 0E1
 2021年10月11日 いわき海星高校第1回目学習支援実施(神白川/梅田川自然環境調査) 0E2
2021年10月18日 いわき海星高校第2回目学習支援実施(下神白海岸鳴き砂・空間線量調査) 0E3
2021年10月25日 いわき海星高校第3回目学習支援実施(廃プラ分別実験)0E4
2021年11月9&18日 平四小の自然エネルギー学習支援 0E5
2021年11月30日 好間四小防災環境教育実施 0E6
2021年12月3日 令和3年度自然エネルギー先進地視察 0E7

好間四小第2回水環境教育・水生生物調査活動報告
(0E1)

10月5日(火)、好間四小で2回目の環境教育支援活動を実施しました。8月から10月に延期となり水温が低くなったため、校長先生からの提案を受けて、全校生による川遊びは中止し、5,6年生が好間川で水生生物調査と選別を行い、その後、5,6年生が採集してきた生物を図工室に展示して「ミニ水族館」とし、1~4年生に自由に観察してもらうことにしました。  当日は、10月とは思ええないほどの暑さでしたが、好間川の水温は15.5℃と冷たく、川に入るとひんやりして気持ちが良いくらいでした。5,6年生9名と校長先生他、先生方は、安全対策と採集方法の説明を聞いた後、当会スタッフ7名と夏井川流域の会スタッフ2名が見守る中、元気よく川に入り、流速の計測と水生生物の採集を行いました。10時45分~11時25分まで採集を行い、その場で水生生物を種類ごとに分けて、学校(図工室)に持ち帰りました。採集時間は40分間と短時間でしたが、スジエビ50匹以上、アブラハヤ8匹、サワガニ3匹、水生昆虫はトンボやカゲロウなどの幼虫が多く採集されました。(20種類、水流3回平均0.44m/s)  図工室では、スタッフが、魚や水生昆虫の特徴について、解説しました。野口英世の母「シカさん」が猪苗代湖でスジエビを取って、英世の学費を作ったお話は、子どもたちの記憶に残ったと思います。(私たちも、シカさんの名前をしっかりと言い当てられる子がいたことに感心し、記憶に残りました。)子どもたちは、水槽の中の魚の動きを観察したり、携帯用簡易顕微鏡を使って水生生物の細部を観察したり、12時まで充実した時間を過ごしたようです。その後、1~4年生が、学年ごとに「ミニ水族館」を訪問し、生き物を観察しました。下級生からのたくさんの質問に、5,6年生がしっかりと答えられていたことに感心しました。なお、観察終了後、生物はすべて生きたまま現地に戻しました。  子どもたちは、今回の体験を通して自分たちの身近にある好間川が今まで以上に好きになってくれたと思います。そして、私たちスタッフは、子どもたちの積極的な取り組みからたくさんのエネルギーをいただきました。第3回は、11月30日予定ですが、さらに成長した子どもたちの姿を見られるのではないかと、今から楽しみです。

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小名浜海星高校環境教育支援(1回目 水環境調査)を実施
(0E2)

 10月11日(月)に小名浜海星高校環境教育支援の一環として、学校の横を流れる神白川水系の水質調査と景観調査とを行いました。当日は、原田理事長以下7名の本会員が支援にあたり、生徒9名と担当の先生3名が参加しました。 まず教室にて当日のスケジュール及び神白川流域の概要説明が行われ、その後、車に分乗し神白川の水源に向かいました。そして、上流より下流に沿って、水量の変化などを測定しながら、河川水の採取を行いました。途中の霊園前の地点では、網にて水生生物の採取も行い、ウグイやスジエビを確認することが出来ました。河口の武城橋(神白川)、梅田川下流では、2班に分かれて「みずしるべ」による環境評価を行いました。 学校に戻り、採取してきた4ヶ所と支援者が採取しておいた2ヶ所、計6試料の水質分析(COD、導電率、におい、透視度)を行い、その結果をレーダーチャートにまとめて、採取地点の地図に添えて、その傾向等を考査しました。ここ数年の調査結果と同様に、上流でもCOD,導電率の値は高く(フミン質、地下水のイオンの影響)、また下流になるにつれ、生活排水が混じり、全体的に徐々に水質が悪くなってくることが判りました。


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小名浜海星高校環境教育支援(2回目 鳴き砂環境調査)を実施
(0E3)

 10月18日(月)、小名浜海星高校で鳴き砂環境教育の支援を行いました。朝は上空の寒気が残り晴れて、放射冷却が効いた影響で冷え込みが強まり、いわきでは昨日より10℃以上落ち込みました。昨日の雨から一転して、風は弱く、晴れ上がり野外調査日和でした。 本会からスタッフ7名が参加し、いわき鳴き砂を守る会からも桶田理事長の参加をお願いしました。 まず生物化学室で、調査計画・日程につい説明しました。次に桶田理事長から「いわきの鳴き砂の基礎知識」について、パワーポイントで20分間にわたり、分かりやすく説明していただいました。講義の最後には、よく鳴く砂にチョークの粉末(汚れとして)を入れると鳴かない砂になりました。このことより環境が鳴き砂に影響していることを知り、生徒は感心していました。 その後学校側の下神白海岸へ移動して、鳴き砂の調査を行いました。生徒は8班に分かれて、各班にはスタッフ1名が付きました。南北方向に20m間隔で24定線を設定し、1班につき3定線ずつ鳴き砂調査と放射線量測定を行いました。海岸方向へは10m間隔で測定しました。鳴き砂度合いは、良く鳴く、普通、鳴かない、調査不能の4段階でした。かなり多くの調査定点があったにも関わらず、40分間ほどで調査を終了することができました。 生物化学室に戻り、測定した鳴き砂度と放射線量結果について、中西先生よりパワーポイントで説明しました。まず鳴き砂度では波打ち際でよく鳴く砂が多く見られるのは例年通りでしたが、今年は堤防近くの場所でも見られて、海岸の中ほどではあまり鳴かない場所が多く見られた点が例年と異なっていました。放射線量は全体的に低く、下神白海岸では原発事故の影響はなくなっているようでした。波打ち際は総体的に低い傾向が今回もみられました。 次に鳴き砂と、鳴かない砂の特徴について実験により確認しました。分析項目は COD、 透視度、粒度組成の3項目でした。3項目をレーダーチャートに入れると鳴き砂では面積が広く、鳴かない砂では面積が狭いという理想的な図が示されました。 今回の環境教育の後で、生徒に感想を聞くと、鳴き砂についての理解が深まり、有意義であったとのことでした。下神白海岸の防波堤近くの砂浜には例年のようにユッカの花が咲き乱れていました。
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小名浜海星高校環境教育支援(3回目 廃プラ分別)を実施
(0E4)

10月25日(月)に小名浜海星高校環境学習として「廃プラスチック問題」についての講義、実験を行いました。当日は、原田理事長以下7名の本会員が支援にあたり、生徒10名と担当の先生3名が参加しました。これが今年度、小名浜海星高校の学習支援最後の講義でした。 まず当日のスケジュールを簡単に説明の後、支援者が「プラスチックの基礎知識」としてプラスチックの歴史、用途、長所・短所などクイズを交えて講義を行いました。またプラスチックの種類については、消しゴムやチューイングガム、不織布マスクなど意外な現物も展示して、生徒が、なるべく興味を示すようにしました。 その後、プラスチックを比重で分別する為に準備した7種類の標準液の比重測定を行い、更に準備しておいた既知プラスチック10種類を、その標準液に浸けて、浮き沈みで比重を確認しました。次に前回下神白海岸で採取していた「廃プラスチック破片」を同様の方法で標準液に浸けて、その比重分布を調査しました。 同上の実験結果をまとめる間「プラスチックごみによる海洋汚染」という表題で、マイクロプラスチックの問題点などの講義を行いました。 分別実験の結果、試料170破片のほぼ約98%が海水より軽い物であり、更にその85%以上がポリエチレン系であることが分かりました。そこで海水より重いプラスチックの行方の推測などを行い、廃プラスチック問題の対策・改善の講義を、更にバイオ・生分解性プラスチックの説明も行い、今回の学習を〆めました。 最後に今年度3回に渡った学習の感想などをアンケートに記載してもらい、全員で記念写真を撮り、今シリーズの支援学習を終了としました。

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平四小の自然エネルギー学習支援 (0E5)

11月9日(月)と11月18日(木)の2回,いわき市立平第四小学校6年生2クラス(計46名)を対象に,自然エネルギー学習支援を行いました.校内と校外(諏訪神社境内)での実施項目を1日ずつクラスごとに交代する方式で実施しました.  1日目(11月9日)は天候が悪く,校外での実施が困難だったので,実施項目の一部を変更して,2クラスとも校内での実施となりました.1組ははじめに図工室で再生可能エネルギーに関する講義を聞き,その後2つの班に分かれて活動しました.1班はそのまま図工室でグループごとに温度差発電(ペルチェ素子発電),手回し発電,電磁石を体験しました. 2班は理科室に移動して,再生可能エネルギーに関する七並べや神経衰弱などの遊びを体験しました.それぞれの班の体験が終了後は,図工室と理科室で班を入れ替えての活動を行いました. 図工室での活動では氷と手の温度差だけで発電できることや磁石と巻きコイルで物を動かせることを支援者の説明を聞きながら身近に体験することができました.また,理科室での再エネ遊びでは,遊び感覚でエネルギー今昔や再生可能エネルギーの学習ができることを体験しました. 2組の活動は家庭科室と体育館脇で行いました.はじめに家庭科室でクラス全員が活動の内容やスケジュールの説明を受けた後で,4グループに分かれての活動を行いました.家庭科室にはクラスの半分の児童が残り2グループに分かれてそれぞれ吸盤フックと浮沈子の体験を15分交代で行いました.残り半分の児童は体育館脇に移動して,2グループに分かれて火起こしと足漕ぎ自転車の体験を15分交代で行いました.それぞれの活動が終了したら,家庭科室と体育館脇のグループを入れ替えて活動を行いました.浮沈子体験ではしくみを理解して自作による実験にたいへん興味を示しました.一方,火起こし体験では児童は良く頑張ったのですが,雨天で湿度が高かったこともあり残念ながら火を起こすまでには至りませんでした.4つの体験を15分間ずつ取り組む内容でしたが,時間内で活動が収まらないケースも見られ,今後の課題にもなりました

テーマごとに支援者の担当はほぼ固定しているため、他のテーマを見学することは殆どありませんでした.今回、準備が早く終わり、開始迄に時間があったため、支援者が他のテーマを見学、説明を受けることが出来、参考になりました.

2日目(11月18日)は天候も良く,2校時目の休み時間を利用して1組が学校から徒歩で移動して諏訪神社での学習を行いました.諏訪神社では,1日目の2組の授業で実施した浮沈子体験に代わって,NPOが設置した自然エネルギー設備を体験しました.また,晴れて太陽が出ていたので,ソーラーカー乗車体験,ソーラークッカー体験なども可能となりました.自然エネルギー設備では,特に水量を変化させることで発電量に違いが生じることやさらに人力で水車を早く回転させることで発電量を上げることが実際に体験でき,児童はモニターに表示される発電量に楽しく見入っていました.また,太陽光で充電されたバッテリーで動く自動車を自分で運転する体験ではすべての児童が歓喜の声を上げていました.校内では2組が1日目に1組の児童が実施した活動を体験しました.諏訪神社での1組の児童の楽し気な様子を見るにつけ,1日目に2組の諏訪神社での活動が中止になってしまったことがたいへん残念で悔やまれました. 両日ともに,学習の最後のまとめの中で,児童数人から感想を述べてもらいましたが,いずれの児童もさまざまな体験をして自然エネルギーについて楽しく学習できたことを口々に述べており,たいへん喜んでいる様子が伝わってきた学習支援でした.最後に,私たちNPOのメンバーと一緒に学習支援を行ってくださった平窪自然塾の皆様に厚く感謝いたします.

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好間四小防災環境教育実施 (0E6)

11月30日(月)河川の防災環境教育講座のために、好間四小へ行ってきました。教育対象の児童は5、6年生で、9名でした。 第1校時から始まり、校長先生の挨拶の後、スタッフ8名の自己紹介をしました。次いで講義及び実験の工程を説明しました。 まず橋本先生から夏井川流域の概要について、パワーポイントで説明しました。続いて夏井川流域模型を使って、流域の概念について、理解するよう努めました。その後、いわき地域の詳細なジオラマを用いて、川の防災設備を説明しました。 休憩15分間を挟んで、森の保水力について、模型を用いた実験により、体験学習をしました。実験装置は全ていわき環境研究室製作で、児童たちは熱心に取り組んでいました。  次に、川の流水実験を行いました。実験は児童全員が参加して、2 Lのペットボトルに入れた水を砂に流して、その後の変化を調べました。川の両側には旗を立てて、どの旗が先に倒れるか、みんなで予想させながら行いました。実験中に、歓声をあげて、夢中に取り組んでいましたが、予想通りに、いかないことが多かったようでした。 最後に、災害にあった場合の心得を説明しました。非常用持ち出し袋に何を入れるかを、みんなで考え合って、付箋に書いて発表して貰いました。 講義が終わった後、まとめとめて3人の児童より手を挙げて、感想を聞くことができました。その結果、防災についての知識が深まり有意義だったことがわかりました。第1校時より第4校時まで、午前中いっぱいを使った防災環境教育でしたが、児童たちの生き生きと取り組む姿勢に、スタッフの方が感動しました。講座終了後、支援者は学校給食をご馳走になりながら、先生方と懇談しました。

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令和3年度自然エネルギー先進地視察 (0E7)

12月3日(金)に、自然エネルギー先進地視察のため、双葉・相馬地方へ行ってきました。当日は、ほぼ終日晴れて、風はなく、少し寒かったものの、絶好の視察旅行日和でした。 市役所玄関に集合して9時半に全員揃ったので、少し早めに出発しました。常磐自動車道に入ってから、参加者15名全員で自己紹介をしました。前年度の自己紹介が最初の視察地に着いても終わらないため、帰りに自己紹介をして、そのついでに旅行の感想を聞くような失態を演じたので、各人3~4分の制限時間を設けました。 最初の訪問先である福島水素エネルギー研究フィールドを予定より10分前に到着しました。浪江町産業振興課の住吉主査から水電解装置前で施設全体の説明を受けました。国、東北電力の他に民間企業が参画していました。世界最大級の水素製造拠点で、1日の水素製造量は約150世帯の1カ月分の電力に相当し、燃料電池車は560台充填できるそうです。また必要な水素量を把握し、効率よく製造貯蔵輸送できるシステムづくりをしていました。水素の郵送先は Jヴィレッジ、いわき及び岩沼の水素ガスステーション、道の駅なみえ等でした。 お昼ご飯は道の駅なみえで、摂りました。 午後から福島ロボットテストフィールドを訪問しました。ここはロボットの性能評価や操縦訓練等ができる施設でした。ここは旧浪江・小高原発予定地を利用した東西1 km、南北500mの広大な敷地の中にありました。ドローンを念頭に入れた設計で、あらゆる不利な条件でも試験できる施設を提供していました。橋梁、トンネル、高さ30 m のプラント、市街地、瓦礫・土砂崩落の試験用フィールドなどがありました。この他にレンタルの研究室も常備して、ここで技術を確立してから会社を設立する企業もあったそうです。 最後の訪問地は富岡アーカイブス・ミュージアムであった。東日本大震災の影響で生じた原発事故で、富岡町は「当たり前の日常」を突然失ないました。「富岡のような複合災害が起きたらどうなるか」を想像して、富岡町の成り立ちを紹介して、複合災害がもたらす地域の変化をテーマにしていました。昭和の商店街模型、大震災で止まった時計、2人の警察官が自らの命を賭けて町民を守って被災したパトカー等を展示していました。東北大学学生が造った東日本大震災前の地域のジオラマの展示もありました。 帰りのバスは15分程予定より遅れて、夕方5時に市役所前のバス停に到着しました。事故がなく、無事に自然エネルギー先進地視察を終えることができまて、安心しました。バスから降りた参加者から「感動しました」、「有意義な旅行でした」と喜びの声をかけていただいて、終わることができました。


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