2022年のいわき環境研究室の活動紹介 

 
2022年1月~7月のいわき環境研究室の活動リスト
 いわき自然エネルギー研究会関係 
 * 0A1
NPO法人いわき環境研究室関係 
 2022 年1月15日 防災教育指導者育成講座の開催  0B1
河川財団の「川と人をつなぐ活動成果発表会」の優秀賞に選ばれました 0B2
2022年2月28日 令和3年度環境まちづくり担い手育成支援事業報告書が完成  0B3
2022年4月5日
河川財団より今年度も助成事業助成が決定されました 0B4
2022年5月21日 令和4年度通常総会及び第1回理事会報告  0B5
2022年6月2日 好間四小・好間川水源から河口調べ  0B6
2022年6月16日 平四小・第1回自然エネルギー学習の開催  0B7
2022年7月7日 好間四小第二回水環境教育支援実施 0B8
2022年7月9日 夏休み理科自由研究支援講座の開催 0B9
2022年7月19日 平四小の第2回環境エネルギー学習(省エネルギー)の開催 0B10
2022年7月30日 令和4年度下小川地区農地・水環境保全事業・水生生物による水環境調査 0B11

防災教育指導者育成講座の開催
(0B1)

1月12日(水)、「防災教育指導者育成講座」を、パルシステムみんなの交流館で開催しました。今回の講座は、2019年秋の夏井川水系の氾濫を受け、当会が従来の親水活動に加えて防災の観点から新たに構築し、市内の小学校2校で実施した講座の紹介をするとともに、製作した模型などを活用した「水に関する防災教育指導者育成」を目的として開催しました。受講者は、当会の賛助会員である生活協同組合パルシステム福島環境委員会の皆さんで、13名が受講しました。当会では7名が講師として対応しました。初めに河川の源流から河口までの流域ジオラマやパネルを使って、河川構造や想定される危険箇所、各種治水施設についての説明を行い、流域住民が考えていかなければならないことについて全体説明を行いました。続いて、それぞれの模型を使って流域の概念や堤防構造にかかわる専門的な言葉の説明、川の地形と洪水との関係、急斜面からの土砂流出による土石流、森林の保水力実験などを行いました。最後に昔話を切り口とした避難時の持ち出し物を子どもたちに主体的に考えさせる手法について紹介しました。参加者は手作りの模型装置に大きな興味を示し、質問や情報提供、活用方法についての提言もありました。当会として、それらを今後の活動へ生かすとともに、今後参加者が中心となった地域での防災意識向上の広がりが期待できる講座となりました。
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河川財団の「川と人をつなぐ活動成果発表会」の優秀賞に選ばれました
(0B2)
 

 令和3年12月13日、橋本前理事長より、うれしいお知らせです。河川基金事務局より、令和2年度の当会の環境教育支援事業が評価され、「優秀賞」に選ばれたようです。と連絡がありました。

 201910月の東日本台風により、いわき市も夏井川、好間川の洪水を経験しました。

従来は親水活動(小学生対象、水生生物及び水質調査、景観調査)を中心に環境教育の支援を実施してきましたが、今回の洪水災害を踏まえ、洪水の発生メカニズムを理解し、避難などの事前対応ができる人材育成を計画しました。

 洪水の発生メカニズムに対応した教材(実験用模型及びパネルなど)作成にかなり資金が必要なことから、河川財団の2020年度河川基金の助成に応募しました。その2020年報告書が優秀賞に選ばれ、その活動内容を2月19日(土)、東京での「令和3年度 川と人をつなぐ活動成果発表会」で発表することになりました。尚、コロナ禍第6波が収束しないため、WEB発表会になりました。助成事業名は「移動・生徒対象の水環境プログラムの実践的活動支援事業」で、その事業概要は下記の通りです。

 近年の地峡温暖化による豪雨災害は今後更なる増加が懸念される。次代を担う子ども達を対象に、従来実施してきた親水活動(水生生物、水質及び景観調査、水遊びだけでなく、激変する水環境(洪水など)を正しく考え、対応できるようにさせたい。河川の洪水発生メカニズムとそれを緩和できる方法などが体験できる模型を6種類製作した。子ども達が理解しやすい説明書も作成した。それらを使った実践を小学校2校で実施しました。
具体的には、好間四小と平四小で、上記の模型などを使った実体験と避難時の持ち出し物を児童が書き出しました。これには支援者が予想していた物よりも多くの物が書き出され、子ども達の能力に驚きました。





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令和3年度環境まちづくり担い手育成支援事業報告書が完成
(0B3)

 本報告書は、令和3年度いわき市環境まちづくり担い手育成支援事業の一つとして、当いわき環境研究室が事業名「環境学習支援者育成と実践」として業務委託を受けて、実施した内容をまとめたものです。 本事業は、近年の地球温暖化や生物多様性といった環境問題を理解しこれらの課題解決を継続しながら住みよい地域づくりに貢献できる人材「環境まちづくり担い手」の育成を目的として、市内小学校や高校における自然エネルギーや身近な水生生物とその生息環境(水環境)等に関する環境学習の実践と学校等における学習支援を行う指導者の育成を行いました。
 今年度の報告書は内容が充実し、A4版111ページと、昨年度より20ページも増えました。 報告書には、各講座での実施状況の説明と使用した資料、教材なども記載しています。その他に、各講座でのアンケート結果とその解析及び本活動支援者からの意見なども記載しています。報告書と講座で使用したスライド資料も収納したDVD/CDを添付しています。
 本報告書は60部印刷し、当会員の他、関係先(いわき市、教育委員会、支援対象校、いわき市図書館、報道機関など)に配布しました。 報告書の表紙、目次、DVDラベルは下記の通りです。尚、DVDに収録した資料は報告書の他、講座で使用したスライドも含めました。


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河川財団より今年度も助成事業助成が決定されました
(0B4)

 4月5日に、今年(2022年)度も河川財団より、3年連続で「児童・生徒対象の水環境プログラムの実践的支援事業」の助成が認められました。助成金額は53万円です。助成金を有効に活用し、多くの子ども達に楽しみながら環境問題を学ぶ機会を提供したいと考えております。同時に我々支援者自身がレベルアップし、質の高い支援を行いたいと思っています。 初年度(2020年)の活動では、既に掲載しましたように、「優秀賞」を頂きました。 現在、昨年(2021年)度の活動状況は報告書にまとめ、今月末までに提出するための作業を行っています。
 残念なことは、コロナ禍が依然として、収束する気配がありません。今できることは2つあります。一つは、講座で使用する教材や資料を充実させることです。二つ目は支援活動を行う支援者(指導者)の質を高め、人数を増やすことです。昨年度より、指導者育成講座を始めました。今年度はそれを深化させ、コロナ禍が収束した時に、より良い講座が広く開催できるように準備したいと思っています。 今年度もコロナ収束の状況が不透明ですが、後期には収束し、講座が実施できることを祈願しています。

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令和4年度通常総会及び第1回理事会報告
(0B5)

 令和4年度第1回理事会は、5月21日(土)13時半より、パルシステムみんなの交流館1階会議室で開催されました。出席した理事・監事は総数8名中7名でした。司会は和田佳代子理事が行い、議長は定款により原田理事長が行いました。議題は令和3年度の事業報告・会計決算報告、令和4年度事業計画・予算計画でした。議題は原案どおり、異議なく承認されました。
 令和4年度通常総会は、第1回理事会が終了した14時40分より、同じ会場で開催されました。和田隆さんの司会で開会し、原田理事長の挨拶後、議長に和田佳代子理事が議長に選出され、議事が進行しました。会員15名中13名が出席(うち4名は委任状)しました。まず令和3年度事業報告ならびに会計決算報告・監査報告が事務局よりあり、原案どおり承認されました。その後令和4年度事業計画案、予算計画案について活発な質疑があり、ほぼ原案どおり承認されました。
    その中で、河川基金2020優秀賞の表彰状が原田理事長より披露されました。
下記の事項を取り決めました。
[1]地域環境についての調査研究及び政策提言事業関係 ◇既存施設(諏訪神社、田人、湯の岳山荘)を維持管理されている3団体(平窪自然塾、田人観光いちご園、いわきの森に親しく会)と連携し、積極的な活用に取り組む。 ◇自然エネルギー及び水環境関連(洪水モデルなど)の学習用教材の開発を引き続き推進する。  ◇学校などでの環境学習支援の担い手育成に向け、指導者育成講座を開催する。など
[2]地域環境についての教育事業関係 ◇令和4年度の教育事業では、前年度に引き続き、6月から好間四小、平四小での学習支援に取り組むことが決まりました。
[3]地域環境を改善するための諸活動事業  ◇農村水環境学習支援(下小川関場、赤沼地区)、ふくしま環境教育フォーラム、パルシステム展示会、こどもアイネットフェアなどについては、主催者からの依頼があれば、積極的に対応することになりました。  ◇関連団体との連携事業:いわき環境科学会、NPO法人いわき鳴き砂を守る会、夏井川流域の会などと連携して、活動する。
[4]その他  ◇当NPO法人いわき環境研究室の紹介パンフレットの作成と活用(毎年更新)  ◇諸事業を効果的に推進するため、月1回程度「事業推進会議」を開催する。

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好間四小・好間川水源から河口調べ
(0B6)

 6月2日に好間四小第1回水環境教育支援で、バスに乗って好間川の水源から夏井川河口にかけて調査しました。日中は晴れて、風はそれほど強くなく、この時期としては暖かくも、寒くもない絶好の調査日和でした。  集合を約束した8時前には7名のスタッフ全員が好間四小校庭に集まっていました。校舎玄関前で出発式を開いてから、校門前に待機していたマイクロバス2台に全校生27人が分乗して、第1目的地である雨降山へ向かいました。バスを降りてから1、2年生と3~6年生の2班に分かれて、25分間で歩けるところまで頂上へ向かいました。頂上近くの川にはサワガニ、ヒラタドロムシ、カワゲラ、トビケラなどの生物をたくさん採集できました。また珍しいサンショウウオを1尾見つけることができました。 三和公民館でトイレ休憩を取ってから、好間川と夏井川の合流点が見える平橋へ向かいました。好間川交流点は河川工事により扇状に広がっていました。平橋から見下ろす夏井川には前日雨が降ったせいで、黄色く濁ってコイなどの魚は見えませんでした。 お昼前に夏井川河口の全体を左岸側堤防上から眺めてから、右岸側の「みずほの森」へバスは進みました。「みずほの森」の堤防の階段で、お昼ご飯を食べました。夏井川河口と太平洋を一望できるロケーションで、児童は喜んで弁当を食べていました。食後新舞子海岸へ降りて、砂浜で貝類を採集していました。波打ち際では、生きたコタマガイが大発生とみられるほど多く取ることができました。 食後に右岸親水公園へ移動して、カニ釣りを楽しみました。干潮時刻でカニは分散していて、釣り対象となる大きなカニは多くいませんでした。小さなカニが多くいて、釣るよりは、手で捕まえたほうがたくさんのカニを捕まえることができました。児童の皆さんは夢中になって楽しんでいましたが、時間制限一杯の1時40分に帰り支度をしました。 夕方4時頃に曇り空に変わり、雷が鳴り始め、夜には雨が降りました。雷を避けて好間川から河口にかけて調べを無事終わることができて、楽しい思い出の一日となりました。

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平四小・第1回自然エネルギー学習の開催
(0B6)

 6月16日、第1回自然エネルギー学習支援のために、平四小へ行ってきました。終日晴れて、風は弱く、この時期としては暖かくも寒くもありませんでした。 福島高専及び平窪自然塾からも手伝っていただき、スタッフは12名になりました。スタッフは8時までに駐車場で待ち合せました。各スタッフが準備した学習教材を、校舎左横入り口に置いて、8時半までに、4階の図工室、理科室、家庭科室へ自然エネルギー学習用教材を運び入れて、実験の準備が整いました。 8時半に音楽室で6年生67人が全員集合して、原田会長挨拶の後で、体験学習6項目と時間割について説明しました。まず原田先生と山本先生からは現在自然エネルギーの重要性が高まっている理由について、分かり易くプレゼンテーションをしました。 9時から10時半にかけてペルチェ素子発電、発電体験、ゲーム体験、水力発電、太陽光発電、風力発電の6コーナーを15分間ずつ体験していただきました。2クラスを6グループに分けて、各グループは11~12名で構成しましたが、休憩時間を取らないまま忙しく、自然エネルギーの体験学習を楽しんでいました。 一例をあげると、水力発電コーナーでは2人1組で、1人が2 L ペットボトルを持って、もう1人がペットボトルから噴出した水をタービンにかける役を担当しました。高さを80 ㎝と40 ㎝ の2段階として、ペットボトルのホースの太さを8 mm と4 mm の2種類を使用したので、4通りの発電実験ができました。発電量の大きさは電流計、 LED 電気の明るさ、オルゴールの音量で計測できました。児童は水力が多いほど、落差が大きいほど発電量が大きいことを体験しました。最後に使用した模型の名称(タービン、発電機など)を説明しました。福島県は水力発電量については全国で5番目に多い県であること、また日本で1番発電量が多いのは奥只見発電所で、2番目は田子倉発電所であり、両方とも福島県にあるのを知っていただきました。 最後に音楽室に戻り、本日の体験したことについてのアンケートを記入して、第1回自然エネルギー学習が終了しました。

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好間四小第二回水環境教育支援実施
(0B8)

 雨天のため一日延期となった7月7日に、好間四小の第二回水環境教育支援授業を行いました。当日の天候も心配されましたが、この日が国土交通省が制定した「川の日」という事もあってか、薄日も射し暑くもなく、川の水生生物調査、水質検査には、絶好の日となりました。  開始にあたり、校庭に3年生以上の児童19名が集合し、校長先生の挨拶後、当NPOの原田理事長より、当日の予定や注意点などの説明を行いました。その後、児童たちは用意したライフジャケットを身に付け、スタッフ10名と共に網・バケツを持って、学校脇の好間川に移動しました。  川では、始めに水深や流速、水温の測定を行い、その後水生生物調査に入りました。全身びしょ濡れになってしまった子もいましたが、スタッフの指導と安全管理のもと、楽しそうに1時間程水生生物の採取を行いました。その後、川から上がって採取した生物の分類(同定)を行いました。水生生物としては、ヘビトンボ、カワゲラなど十種類以上が確認され、特にヒゲナガカワトビケラが多く、数えきれない程でした。殆んどが、きれいな水に生息する水生生物であったことから、好間川の水質の良さを実感し、児童たちは大喜びでした。採取生物は観察後、児童たちの手で川へ返しました。  学校に戻り、5,6年生の9名は好間川三地点(源流、学校脇、下流)の水質分析(COD、におい、透視度、導電率)に取り組みました。結果はそれぞれレーダーチャートにまとめて、好間川の各地点での水質を確認しました。下流に行くにつれて、水質は徐々に悪くなっているものの、他の河川に比べるととてもきれいな川であるとの説明に、児童たちも喜び、3回目の授業への期待も膨らんだようです。  今回、児童たちが水生生物調査から水質分析に至るまで、各々のタブレットを上手に操って、水生生物の撮影や水質分析結果を記録していたのが、印象的でした。

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夏休み理科自由研究支援講座の開催
(0B9)
  7月9日、生活協同組合パルシステム福島のみんなの交流館において「夏休み理科自由研究支援講座」を開催しました。新型コロナ感染症の影響で3年ぶりの開催となった今回は、「水の一生」をメインテーマに、浮力、圧力についても取り上げ、小学生の親子が学習しました。 「水の一生を考えよう」では、水の循環の説明の他、くらしと密接に関係する水の利用や制御についてジオラマを使って説明を行いました。近年多くなってきている豪雨とその被害についてもふれ、「流域治水」の重要性が理解できる模型や、山林・森林の保水力が実感できる模型での実験も行いました。 「水の浮力」では、船を模した容器と、船に乗せた場合は沈んでしまう限度ぎりぎりの荷物(ペットボトルに石を詰めたもの)を用意して、船を沈没させずに運ぶことがいかに難しいかの挑戦をさせました。その後に、安全に運ぶためにはどうしたらよいかを考えさせました。3年生はあれこれ苦心していましたが、6年生は船に吊るして運ぶ方法を素早く見つけ出し、さらに船の両脇に括り付けて2倍の量も運べることにも気づいていました。その後、浮力によって起こる現象ついて実演と説明を行いました。 続いて、浮力と圧力を利用した玩具(浮沈子)の作成を各自行い、浮いたり沈んだりする様子を低学年は面白そうに、高学年は興味深そうに何度も試していました。 最後に「理科自由研究の進め方」について、テーマを離れて一般的な説明を行い、講座を締めくくりました。 なお今回初めての試みとして、終了後に30分ほどの個人相談の時間を設けました。開始からすでに2時間半が経過し、参加者は疲れていた様子でしたが、それでも全員が残って時間いっぱい質問やデザインの異なる浮沈子作りに取り組んでいました。

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平四小の第2回環境エネルギー学習(省エネルギー)の開催
(0B10)

 7月19(火)に平四小の第2回環境エネルギー学習支援を、6年生2クラス(計67名)を対象に行いました。クラス単位で校内と校外(諏訪神社境内)に分かれて実施しました。  今年度の平四小における学習支援は、地球温暖化の影響への対策に焦点を合わせた環境エネルギー学習という趣旨で実施しており、第2回目では諏訪神社境内で自然エネルギーに関する体験を、校内では省エネルギーに関する体験を行いました。 省エネルギーに関する体験として、最初に音楽室においてクラス全体で地球温暖化の影響の緩和策の一つとしての省エネルギーの重要性についてのスライドを用いた講義を受けたのち、3班に分かれて①室内温度、②照明器具、③体感温度について、それぞれ理科室、図工室、音楽室で体験を行いました。 室内温度の学習では、室内の温度は場所によってどうなっているのか、今回は天井や床、南側窓ガラスや北側壁、机の上の各表面温度について放射温度計を用いてそれぞれ4か所ずつ測定しました。当日は曇天で日射の影響が強くはなかったものの南側窓ガラスの表面温度は他に比べて若干高くなっていました。児童は放射温度計による初めての表面温度の測定に戸惑いながらも教室内の全20地点、3回ずつの測定に頑張って取り組んでいたようでした。日射の影響が強くなるとどうなるのか考えてもらいました。 照明器具の学習では、LED電球と白熱電球の違いを電球の表面温度と照度の測定から体験しました。照度が同じでも熱を発生させて表面温度に違いが生じていることや消費電力量や耐久時間の違いについても補足説明を行いました。家庭での照明器具について考えてくれると良いと思います。 体感温度の学習では、部屋の温度が同じでも気流や風によって肌の体感温度が違うことを、扇風機の風速を変化させて掌に風を当てて、その時の表面温度を放射温度計で測定する実験を行いました。体感温度の変化が実際に表面温度の違いとして数値で得られることに驚いていました。 学習の最後のまとめの中で、児童数人から感想を述べてもらいましたが、いずれの児童も省エネルギーの実験ができて楽しかったこと、省エネルギーの必要性や行動につなげていくことへの抱負を話してくれました。最後に、私たちNPOのメンバーと一緒に学習支援を行ってくださった平窪自然塾の皆様に感謝いたします。
 予定よりやや早めに6年1組34名が諏訪神社に到着。スケジュール説明の後、3班に分かれ、自然エネルギーに係る体験活動に取り組んでもらいました。①既設の水力・太陽光・風力発電施設では、実際の施設規模と発電量の関係を感覚的に掴んでもらえたかと思います。また、神社に隣接する小川江筋の流れを利用した「浮体式発電」にも取り組んでもらいました。(福島高専の山本敏和先生、橋本慎也先生が担当)。②「火起こし体験」では、昨年度の火起こし器に改良を加えた物で火起こしに挑戦してもらいました。煙までは出たものの、発火まではもう一歩という所でしたが、夢中になって火起こしに取り組んでいる姿が印象的でした。また、境内の一角に「ソーラークッカー」も設置、鍋の中の水温は、曇天にも拘わらず15℃程度上昇していました。(平窪自然塾の半沢さん、近藤さん、当会の和田さんが担当)。③「足漕ぎ自転車/ソーラーカー試乗体験」:足漕ぎ自転車で発電し、そのエネルギーを使って水脈をより高く飛ばし、発電量といかに風船に当てるかを競いました。また、ソーラーカー試乗体験では、8の字のコースを上手く乗りこなしていました。(平窪自然塾の草野芳久さん、橋本が担当)。 後半は、若干、小雨の時間帯もありましたが、予定通り、2組の33名が1組と同様の体験学習に取りくみました。


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令和4年度下小川地区農地・水環境保全事業・水生生物による水環境調査
(0B11)

 令和4年7月30日土曜日にいわき市小川町下小川地区の小学3年生と6年生の児童2名が参加して、同地区を流れる農業用水路と夏井川支流下田川の水生生物調査、加えて夏井川支流新川(アリオス前)の水質調査を行いました。例年実施している同地区の水環境調査ですが、年々下小川地区の児童数が減少しており、今年度は全児童数4名のうち2名の参加となりました。いわき市内でも新型コロナ感染が拡大する中での実施でしたが、児童の保護者の方も調査に加わっていただき、感染対策や熱中症対策などの安全管理を行いながら、当NPOいわき環境研究室からは8名が調査学習支援にあたりました。 先ず、地区内を流れる農業用水路での水生生物調査では、ドジョウを含め16種類の水生生物を採取することができました。続いて、夏井川水系下田川に移動して親水護岸のある水辺でもドジョウやタモロコを含め18種類の水生生物を採取することができました。農業用水路に比べて、下田川ではカワゲラやカゲロウ、トビケラといった水生昆虫の種類数も多いことがわかりました。採取した生物は、児童の皆さんとそれを確認した後に、そっと川に戻しました。 その後は下小川集会所に戻り、水生生物調査を行った地点を含め3箇所(①農業用水路、②下田川、③新川(アリオス前))から採取した水の分析に取り組みました。分析は4項目(COD、透視度、導電率、におい)について調べ、結果をレーダーチャートに表し比較しました。水質分析の結果は、前日に降雨があったために透視度が平常時よりは高めの数値を示していましたが、そのほかの項目については下田川、農業用水路、新川という順に水質がきれいであることがわかりました。これは、水生生物の調査結果と同様の傾向であることがわかりました。 最後にまとめとして、水路や河川で水生生物が生息する条件として、水質環境だけでなく、すみかなどの場やえさの環境も整っていることが必要であることを確認し合いました。今回参加した児童の皆さんには、頑張って生物調査や水質分析に取り組んでもらい、学校の教室とは違う野外の活動を親子で楽しんでいただくことができました。熱い中、児童の安全管理にご協力いただいた下小川地区子供会の白石会長はじめ保護者の皆様に謝意を表します。

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