2023年2~8月のいわき環境研究室の活動紹介
令和4年度河川財団主催「川と人をつなぐ活動報告会」に参加 (0B1)
2月28日(火)東京お茶の水の「TKPガーデンシテイ」にて開催され、当研究室からは、3名が参加しました。報告会は、関克己河川財団理事長、豊口徳之国交省河川環境課長の挨拶の後、第Ⅰ部として、優秀成果表彰10団体の内、以下の6団体による口頭発表がありました。
①特定NPO法人エコロジー夢企画(東京都)「綾瀬川と大曾根ビオトープの再生」、②大阪府高校生物教育研究会「河川環境保全とアメ二テイー・防災教育に関する学校間NW構築事業」、③水辺とまちの入口研究所(愛知県)「堀川検定の制作と実施体制の構築」、④釧路自然保護協会「釧路川支川魚類生息環境の再生事業」、⑤NPO法人暮らし・つながる森里川海(神奈川県)「馬(ば)入(にゅう)水辺の楽校及び地域の自然環境の保全と環境教育の推進」、⑥Love
River Net(新潟県)「大河津分水通水100周年多組織連携の展開」。 第Ⅱ部のパネルデイスカッションでは、知花武佳東京大学准教授をコーデイネーターに、「連携をどのように進めていくか」、「将来の課題は何か」等を主なテーマに会場参加者も含め、活発な意見交換がなされました。
発表内容全体を通じ、それぞれの団体共、地域の実情を踏まえつつ、より多くの人の参加を促すため様々な工夫と試行錯誤を繰り返しながらも粘り強く活動を継続していることに強い共感を覚えました。特に、「地域の川の検定試験」、「ビオトープづくり」、「学校支援の横の広がりをつくるため先生方の理科部会等でのつながりの活用」等、私達の活動にも参考になるのではとの思いを抱きながら会場を後にしました。
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令和4年度環境まちづくり担い手育成支援事業報告書を提出(0B2)
本報告書は、令和4年度いわき市環境まちづくり担い手育成支援事業の一つとして、当いわき環境研究室が事業名「学校及び地域における環境学習の実践と指導者育成」として業務委託を受けて、実施した内容をまとめたものです。 本事業では、環境学習を子どもたちができる環境保全活動への「参加」の一形態として捉え、当NPOが体験的な学びの提供、発展的な学習への誘導、発信・連携・協働の支援を実施して、環境まちづくりを担う次世代人材の育成を目指す学習支援プログラムの実践を目的としました。 また、環境学習の指導者としてできるだけ若い世代を発掘することが、学習支援の持続性にもつながる。そして、学習内容や教材に若者の感性を取り入れることにより、若者と年齢的に近い子どもの環境学習効果の向上も期待されると考えて、指導者育成講座による若者の人材育成も試みてきました。その活動内容をまとめたものです。 本報告書は当メンバーが協同で執筆し、纏めたもので、2月末日にいわき市に提出しました。
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河川財団より、2023年度の助成申請採択の連絡あり(0B3)
2023年度の助成申請が、審査に合格し、採択となったとの連絡がありました。 この助成金を有効に活用することで、2023年度の事業も円滑に推進できることになりました。大変ありがたく思っています。
長く続いているコロナ禍もようやく収束する状況になってきました。この3年間、講座に使用する教材開発を進め、また指導者育成も進めてきました。2023年度は水環境講座の支援をを広く実施したいと思っています。
河川財団に、2022年度の助成事業実績(完了)報告を送付 (0B4)
河川基金助成事業・2022年度の助成事業実績(完了)報告と同活動内容報告書を作成し、4月21日に郵送しました。
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令和5年度通常総会及び第2回理事会開催(0B5)
令和5年5月17日(水)11時より、パルシステム福島みんなの交流館において、令和5年度通常総会が開催されました。出席者は委任状を含め11名でした。
原田正光理事長の進行とあいさつで開会し、その後大方俊吾氏が議長を務めました。 令和4年度事業ならびに会計決算報告・監査報告が行われ承認されました。引き続き、令和5年度事業計画案、予算案についても満場一致で可決されました。さらに、役員の任期満了による改選が行われ、下記の会員が理事・監事に選出されました。
理事は原田正光、中西恒雄、平川英人、和田佳代子の4氏、監事は和田隆、江尻勝紀の2氏で、いずれも重任となりました。また、これまで理事として設立当初からご尽力いただきました松崎和敬氏におかれては、任期満了での退任となりました。
総会に引き続き、改選された新理事により第2回理事会が行われ、理事の互選により理事長・副理事長の選出が行われ、新理事長に原田正光氏、副理事長には中西恒雄氏が選出されました。また、事務局長は平川英人氏にお願いすることになり、選出された方々から承諾する旨の挨拶がありました。
今期も前期と同じ布陣でのスタートとなりますが、これまでの活動実績を踏まえながら、新しい環境の課題にも対応できるNPOとしても取り組んでいく所存です。
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好間一小5年生への水環境教育支援(1回目)(0B6)
令和5年度最初の事業は、好間第一小学校5年生54名での水環境教育支援でした。二日間の日程で、第1回目5月29日(月)は、好間川の学習、第2回目30日(火)は、好間川での水生生物調査と水質調査を行いました。
第1回は、9時10分より開講式、スタッフ紹介を行った後、さっそく好間川の学習に入りました。各担当者が、パワーポイントを使用して、「好間川の水環境」、「好間川にいる水生生物」、「好間川にいる魚類など大型生物」について、説明しました。5年生全員という大人数でしたが、生徒の皆さんは、流域・分水界という川に関するキーワードについてメモを取ったり、翌日の水生生物調査で見られる水生生物や魚の特徴を絵に書いたり、熱心に取り組んでいました。その後、原田会長が、模型を使った体験学習「ジオラマによる河川構造物体験」を行いました。全員が見られるように、スマホでジオラマを撮りながら、スクリーンに映っている構造物を説明しました。生徒の皆さんは、山や遊水地などの構造物に雨水をゆっくりと川に流して、洪水を防ぐはたらきがあることを学びました。そして、自分たちが、水とともに安全に生活していくために、流域で治水という取り組みが大切だということを理解してくれたと思います。解散後は、生徒の皆さんが次々にジオラマの見学に集まり、構造物についていろいろな質問をしていました。午前中いっぱい、元気で活発な学習が繰り広げられました。
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好間一小5年生への水環境教育支援(2回目)(0B7)
30日、第2回は、好天に恵まれ、予定通りの日程で進めることができました。8時20分に全員で校庭に集合した後、水生生物調査のために好間川へ徒歩で移動しました。4年前の台風被害があった好間川は、現在、堤防工事が行われています。川底に砂が増え、水生生物が見つかるか心配しましたが、生徒の皆さんは濡れるのも構わず、たくさん生物を捕獲しました。特に数が多かったのは、スジエビ類、ヒゲナガカワトビケラ、コオニヤンマなどのヤゴ類でした。魚は、いわき市内では珍しいカマツカが見つかりました。生物による水質判定は、ややきれいな水となりました。最後に、捕獲した水生生物を生徒の皆さんで、川に返して学校に戻りました。
戻った後、10時50分から8班に分かれて、水質調べを行いました。担当者より、調査項目のCOD、におい、透視度、導電率について、説明がありました。上流(三和小中学校前)、中流(松坂吊橋前)、下流(北目)の3地点について調査し、結果をレーダーチャートにまとめました。水生生物による水質結果と化学的な水質分析の結果から、自分たちの家の近くを流れている好間川が、汚れていないことを確認できました。どの班も、12時まで積極的に取り組み、班ごとに上流、中流、下流の水質結果を得ることができました。
我々NPO法人いわき環境研究室では、今回のような支援事業を通して、たくさんの子ども達に川を知って、親しんでもらい、川を守ることが自分たちの生活を水害から守る防災につながるという考えを育てていきたいと考えています。
最後になりましたが、今回の機会を通してお世話になりました好間第一小学校関係者の皆様に感謝を申し上げます。
平四小学習支援_第1回自然エネルギー学習 (0B8)
いわき市立平第四小学校6年生2クラス(計66名)を対象に,6月14日(水)の午前中に自然エネルギー学習支援を行いました。当日は、福島高専教員と平窪自然塾メンバーも加わり、スタッフ総勢12名による学習支援となりました。
はじめに原田理事長からスライド資料「気候変動とエネルギー」を用いて平四小における環境エネルギー学習の趣旨説明を行い、続いて福島高専電気電子システム工学科非常勤講師の山本先生からスライド資料「再生可能エネルギー」を用いて発電やエネルギー利用についての説明がありました。 その後、クラス児童を6グループに分けて、各グループ約11名の編成で、自然エネルギーの体験学習を行いました。進め方は、温度差発電(ペルチェ素子発電)、太陽光発電、風力発電、水力発電、手回し発電体験、再エネゲーム体験の6つの項目をそれぞれローテーションで15分間ずつの体験学習を行いました。
ペルチェ発電では、製氷氷と掌の温度差でLEDが点灯する体験をし、温度差を大きくして発電量を増やすにはどうしたらよいか取り組んでもらいました。みんなで手をこすったり、数人で手を合わせたりすることで温度差が大きくなることに気づいて感激していました。
太陽光発電では、光源ランプの当て方で発電量の違いがあることを体験しました。また、蓄電や余剰電力の利用などについての説明にも聞き入ったり、太陽光パネルを搭載したおもちゃにも光を当ててコミカルな動きを楽しんだりしていました。
風力発電では、風の強さや向き、プロペラの数などで発電量がどう変わるか、扇風機やドライヤー、うちわを使って体験しました。また、プロペラの直径の大きさと発電量について世界や日本の事例についての説明を受けました。うちわで風を送る大変さも実感しました。
水力発電では、ペットボトルにつないだホースから流出する水の勢いで水車を回して発電される様子を体験しました。ペットボトルの高さやホースの直径を変えた装置で、どのような条件の時に水車が良く回り発電量が大きくなるか確認していました。
手回し発電では、発電機の原理についてわかりやすく説明を受けながら、実際に手回し発電によってLEDランプを点灯させました。また、抵抗を変えると、負荷が大きくなって手で回すのが大変になることも体験しました。
再エネカード体験では、生活に使う家電やエネルギーの今昔を理解する神経衰弱ゲームやエネルギーや発電の歴史についての七並べゲームを体験しました。説明や解説を聞きながら、手際よくゲームを楽しんでいました。
最後のまとめでは、さまざまな発電装置で実際に発電が起きていることをどのように確認できたか、また、それぞれの発電装置ではどのようにすると発電量が大きくなるかなどを振り返ってもらいました。児童から原子力発電についての質問などもあり、今回体験した発電以外にも発電に興味を持っていることがわかりました。数人の児童から、楽しく学ぶことができ、自然エネルギーの大切さや必要性がわかった、などの感想が述べられました。
平四小における今年度第1回の学習支援でしたが、担任の先生方のサポートもあり、スムーズに体験学習を進めることができました。NPOメンバーと一緒に支援いただいた福島高専の先生方や平窪自然塾の皆様に感謝いたします。
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好間四小・好間川水源から河口調べ (0B9)
6月7日(水)環境学習支援-好間川水源から河口まで調べ―のために、好間四小へ行ってきました。前日の深夜にはかなりの雨が降りましたが、朝になると晴れて、風はなく、暖かく、願ってもない野外学習日和となりました。
8時15分に校庭で出発式を行い、原田理事長のあいさつの後に、スタッフ が自己紹介をしました。この日は、9名のスタッフが参加しました。参加した児童は1年生から6年生まで30名でした。
予定より10分遅れの8時40分にバス2台に分乗して、好間川の源流である雨降山へ出発しました。雨降山麓の林道で下車し、上級生と下級生を分けて行動し、上級生組は頂上を目指して25分間で歩けるところまで歩きました。渓流域で採集ネットを使って、水生生物を採集しました。ムカシトンボのヤゴ、ミルンヤンマのヤゴ、トワダカワゲラ。これらは上流域に生息するものでなかなか珍しい種類です。他に、モンカゲロウ、サワガニ、カワゲラ、トビケラの卵(ゼリー状)がいました。なんといっても子どもたち自身でサンショウウオ3尾を採集したのは、すばらしいことでした。雨降山周辺の好間川源流は、きれいで良い水質の所だといえます。
三和公民館でトイレ休憩を取ってから、好間川と夏井川の合流点を近くの堤防の上から観察しました。前夜に雨が降った割には、水量が多くなく水もきれいでした。
夏井川河口に着くと、左岸公園の堤防上から河口全体を観察しました。お昼ご飯は、みずほの森公園の堤防の階段で摂りました。食後砂浜に降りて、昨年同時期にたくさん取れたコタマガイを手掘りで探しましたが、1個も取れませんでした。子ども達は、波と戯れて楽しそうでしたが、監視しているスタッフとして危なくて見ていられませんでした。砂浜の貝殻を集めている子どももたくさんいました。大きなカニを持ってきたので査定したところモズクガニでした。砂浜の海岸線近くでモクズガニをみるのは初めての経験です。
みずほの森から河口親水公園へ移動しました。カニ釣りには絶好の干潮時でした。カニ釣り道具の使い方の説明をしたところ、1、2年生でも容易に理解できて、すぐカニ釣りに挑戦しました。カニはすぐには姿を見せなかったが、石の裏や草場の陰にいることを知るとたくさん釣ることができました。最も多く釣ったのは女の子で、14尾も釣って嬉しそうでした。全員夢中になって40分間楽しんでいました。
バスに乗り、好間四小へ戻り閉校式をしてから解散しました。天気に恵まれ、子どもたちには楽しく、有意義な一日であったように思えました。
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いわき信用組合表敬訪問 (0B10)
6月27日(火)に、当NPOの原田理事長と平川事務局長の2名が小名浜地区にあるいわき信用組合本部を表敬訪問させていただきました。当日は、まず、いわき信用組合の本多宗八理事長に面会し、令和4年度のNPOの事業内容をまとめたニュースレターと今年度の総会資料をお渡しするとともに、令和元年度から毎年10万円の寄付をいただき、NPOの活動費に充当させていただいていることへのお礼を申し上げました。
令和4年度の実施事業を紹介する中で、小学校や地域等への環境学習支援や河川基金で採択された事業について、いわき地域の将来を担う子供たちの育成に少なからず貢献していることに賛辞と今後への期待のお言葉を頂戴しました。また、懇談の中で本多理事長から、家庭や職場とはまた異なる第3のプラットフォームで生き生きと活動することの大切さやすばらしさについても触れていただき、思わず当NPOメンバー諸氏のはつらつとした姿が頭をよぎりました。
今回の訪問は、これからの活動の一層の励みにもなりました。貴重な時間を空いていただきました本多理事長に、篤く御礼申し上げます。
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磐崎小5年生の藤原川せせらぎスクール支援(0B11)
去る6月28日午前、いわき市立磐崎小学校5年生3クラス79名の児童を対象として、学校前を流れる藤原川においてせせらぎスクールの支援を行いました。当日は梅雨の晴れ間に恵まれ、磐崎小としてはおよそ10年ぶりの水環境学習支援を実施することができました。当NPOからはメンバー10名が支援にあたりました。
午前8時20分に、参加者全員が校庭に集まり、開講式が行われました。その後、児童はA班とB班の2つのグループに分かれて、藤原川における流況・水生生物調査と理科室における水質調査を交互に体験しました。そして、11時50分にまた全員が校庭に集まり、まとめと閉講式を行いました。普段に比べて人数の多い、約80名の児童の学習支援でしたが、メンバーの協力と担任の先生方のフォローにより予定通り支援を進めることができました。以下に、藤原川における流況・水生生物調査および校内における水質調査の概要を報告します。
〇藤原川における流況・水生生物調査 藤原川における流況・水生生物調査では、はじめに流速や川の断面を計測し、流量の計算の仕方を説明しました。流速は距離2mを流れる浮きの流下時間を測り、断面は川幅と深さを測り求めました。平均流速は約0.7m/秒、水深約0.25m、川幅約4mとなり、流量は約0.7m3/秒という結果になりました。 続いて、水生生物の採取を実演し、水生生物の採取を行いました。水生生物採取は、同定を含み1時間程度でした。児童も最初は恐る恐る川へ入りましたが、慣れてくると泳ぎ出す児童もいました。観察された水生生物は、ヒゲナガカワトビケラ・タニガワカゲロウ・ゲンゴロウ・ガガンボ・アメンボ・ミズスマシ・シマイシビル各1個体程度で、コヤマトンボ・イトトンボ・サナエトンボ・オニヤンマ・コオニヤンマとトンボのヤゴが比較的種類も多く観察されました。その他、オイカワ・ヨシノボリ・タモロコ・テナガエビ・スジエビ・ヌカエビ・モクズガニ・タイワンシジミ・オオクチバス・チチブが観察されました。最終的に調査した地点の水質は水質階級Ⅱのややきれいな水と判定することができたようです。調査後、児童は名残惜しそうでしたが、採取した生物を藤原川に戻しました。今回の調査から、川の中にはいろいろな水生生物がいることを体感し、それらに触れたことで貴重な体験となったようでした。川での支援を終えて、児童には今後も機会があれば山・海でも多くの自然体験をしてもらいたいと思った次第です。
〇理科室における水質調査 理科室で実施した水質調査は、藤原川の上流(関下橋)、中流(磐崎小前)、下流(中部浄化センター脇)の3地点で採取したサンプルを用いて行いました。主要な指標であるCOD(化学的酸素要求量)、におい、透視度、導電率の4項目について測定を実施しました。各班の児童たちは3つのグループに分かれ、各測定項目をローテーションしながら水質調査の体験をしました。測定後、得られた結果を記録表にまとめ、レーダーチャートを用いて視覚化しました。その結果、上流から下流に向かって川の水が汚れていく傾向が確認されました。また、採取場所の状況から川の水の汚れと周辺住宅の数との関連性に気が付いて、生活排水が川の汚染の一因となっていることを理解したようでした。
さらに、児童たちと川の水を汚さないために自分たちができることについて意見を交換しました。ゴミを捨てないことが重要であるという声がありました。また、食事の際には残さずに食べることや、食器を使った後は拭いてから洗うことなども話し合いました。これらの取り組みを家庭でも意識するよう呼びかけ、水質調査を終了しました。
好間4小第2回水環境学習支援講座(0B12)
今年度第2回目となる「水環境学習支援」講座が、7月5日(水)に開催されました。今回の講座では、天候にも恵まれ、前半は、水生生物調査(3~6年生21名が参加)、後半は、水質分析(5,6年生13名)に取り組みました。調査には、当NPOのスタッフ8名の他、夏井川流域NW、地元保護者の方を含め10名が支援に当りました。 前半の講座では、学校近くの好間川での水生生物の調査に取り組みました。川での調査に入る前に、簡易流速測定装置を使って流れの速さや水深を測定し、安全性に配慮しながら調査に当たるよう注意を喚起しました(川幅16m、水深30~50cm、流速0.3m/s程度)。また、水生生物の採取の仕方等についての説明の後、それぞれの班毎に水生生物調査に当たりました。当初、なかなか採取要領が掴めないようでしたが、直ぐに慣れ、様々な生き物を採取できました。若干水温も低く(20℃)、体が冷えてしまうことにも配慮し、40分程度で採取を終え、川に隣接した平場で、採取した生き物の分類に挑戦しました。採取した水生生物種では、「ヘビトンボ、カワゲラ、ナガレトビケラ」等、「Ⅰきれいな水」に棲息する生物種が多く確認されました。 後半は、5,6年生が、学校の理科室にて水質分析に取り組みました。予め採取した3地点(上流:三和小学校前、中流:好間4小前、下流:北目)の河川水を対象に、4項目(COD、透視度、導電率、におい)について、水質を調べました。結果をレーダーチャートに表し、水質の違いの要因について意見を出し合い、日頃からの水の使い方との関連について考え直す機会となったようでした。
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夏休み理科自由研究応援「理科実験教室」を開催(0B13)
7月8日(土)にパルシステム福島と当NPOの共催で、小学生を対象にした夏休み理科自由研究のための支援講座を行いました。会場のパルシステム福島「みんなの交流館」には、小学生の親子など20名が集まり、当NPOのメンバー8名が指導にあたりました。 本講座は例年この時期に開催しているもので、今年のテーマは「ゼロカーボン」とし、「暑さをやっつけて、涼しくしたい!」と題して、くらしの中でも脱炭素に関心や興味を持ち、夏休みの自由研究としても取り組んでもらえる実験内容としました。 実験は身近にあるものを対象に以下の4種類を準備し、小学生だけではなく保護者も実験に参加してもらうことで、楽しみながら家庭での実践につなげてもらえるようにしました。 ① 温度をはかってみよう⇒ハンディ表面温度計を用いて、物の表面温度にどんな違いがあるかを調べました。 材質、場所、日なた、日かげ、LED、白熱灯など。 ② 熱を吸収する色⇒5種類の色の違う布を太陽に当てて、温度の上昇の違いを調べました。 ③ 風の効果⇒ハンディ扇風機で風速の違いにより肌の温度がどう変化するかを検証しました。 ④ 水の効果⇒ハンディ扇風機で水やエタノールで濡らした肌の温度がどう変化するかを検証しました。 ただ、残念ながら当日は生憎の曇り空で太陽が出なかったため、顕著な温度の上昇などが見 られず、大きな差異が出ないものもありました。しかし、そんな中でもみんな実験の意図は理解できたようで、楽しみながら全工程を終了することができました。結果はとりまとめて、簡単に状況の説明を行いました。 その後、パワーポイントを用いて「理科自由研究の進め方」という表題で、実例を織り込みながら、その手法を説明しました。参加者は、身近にたくさんのテーマがあることを実感したようです。 最後に支援者が準備した「浮沈子」をお土産として手渡し、閉会しました。 また、閉会後に、希望者には自由研究の個別指導も行うとともに、「浮沈子」作りに挑戦した小学生もいました。前日が七夕だったので、それに合わせたデコレ―ションを飾り付けるなど、指導を受けながら作成していました。 短い時間ではありましたが、今回の実験を保護者と子どもたちが一緒に体験したことで、ちょっと遠かった「ゼロカーボン」も各家庭に入り込み、少し身近に実感出来たのではないかと思います。
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勿来二中におけるゼロカーボン授業支援を実施(0B14)
7月14日にゼロカーボン教育モデル事業in勿来第二中学校のプログラムの第2回授業を当NPOが担当しました。これは、今年度いわき市から委託した「ゼロカーボン人づくり公民連携事業」の一環として、市内中学校生徒の脱炭素社会への取組みの理解醸成を図るものです。当NPOでは、「くらしの中の省エネルギーを考える」というテーマで、勿来二中の1年生約30名を対象として実験を中心とした授業を実施しました。
原田理事長が、最初に本授業を実施する背景となっている地球温暖化の対策としての緩和と適応についての説明と、その中で生活に関連した省エネルギーの重要性についての説明を行いました。そして、実際に授業で実施する、「室内温度の測定」、「色による熱吸収」、「風と水と肌温度」に関する実験の概要と実験方法について説明しました。
その後、各班4~5名ずつに分かれて、6つの班で分担して40分間の実験を行いました。室内温度の測定では、1班と2班がエアコンの作動している教室とそうでない教室の窓ガラスや天井・床、照明器具など約10か所の表面温度を放射温度計により測定しました。3班と4班は、日射のある色布の温度変化をそれぞれフェルト布と色紙のケースで表面温度の変化を測定しました。モデル授業の時間帯は残念ながら天候が良くなかったので、熱源として白熱ランプを使用しました。5班は、最初にハンディファンの風速測定を行った後、風が当たる掌の温度の測定をハンディファンの風の強さを3段階に切り替えながら、4人の掌で肌温度の測定を行いました。6班は、ウェットティッシュや霧吹きで掌に水を付けたときに掌の表面温度がどのように変化するか4人の掌で測定しました。霧吹きも水だけでなく消毒用エタノールに変えた測定も行いました。なお、実験時間40分間の中には、データを記録して図表を作成し、さらにそれから読み取れることを考えてもらい、実験の内容を各班2分間で報告してもらう準備まで含めてもらいました。
実験終了後、得られたグラフ1枚を示しながらの2分間の報告が各班代表から行われました。そして最後の10分間ほどで、今回行った実験結果などを踏まえて暮らしの中でどのような工夫をすればよいか自由に提案をしてもらいました。生徒から出された省エネルギーの提案は、直射日光をさえぎるカーテンの使用やグリーンカーテンの試み、着用する服の色の提案、パーソナルミニ扇風機の活用、などがありました。
今回の授業は、暑い涼しいという感覚を実際に温度測定により数値化して実感してもらい、そこから何かを考えてもらう試みでしたが、晴天であればもっと温度の違いを体験できたであろうことがとても残念でした。しかし、限られた時間の中で、どの班も手際よく図表を作成し発表する内容を簡潔にまとめることができており、生徒の真剣な意欲と能力の高さを感じることができました。また、今回の機会は、当NPOとしても新しい学習プログラムの構築にチャレンジすることができ、とても貴重な体験になったと思います。
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植田公民館にて「夏休み理科教室」を開催しました(0B15)
7月28日(金)に、いわき市立植田小学校・小名田子ども会会員を対象に「夏休み理科教室」を開催しました。これは、例年実施している「夏休み理科自由研究」の応援講座(7月8日開催済)を子ども会向けに初めて企画・実施したもので、当会の講座としては、先日の勿来二中に続き二回目となる勿来地区での開催となりました。会場の植田公民館には、小学1~5年生まで17名、役員3名が参加し、当NPOのメンバー9名が指導にあたりました。 「暑さに負けずすずしくなろう!」と題して、省エネで涼しく過ごすための方法を「温度」をはかることを通して考えてもらいました。同様の講座は今年度3回目でしたが初めて晴天に恵まれ、屋外での実験を行うことができました。公民館に隣接する公園で、5~6名ずつの3班に分かれてそれぞれ3つの実験をローテーションしながら行いました。当日は厳しい暑さとなり、省エネでも涼しく過ごす方法を考えるという目的には適していましたが、熱中症対策にも気を配りながらの実施となりました。各班とも上級生に助けられながら下級生も頑張って、放射温度計を用いた温度測定に取り組んでいました。 当日行った実験の概要は以下のとおりです。 〔実験1〕屋外の温度測定 屋外の日向や日陰、物や人、樹木、草など、路面の性状による違いなどの温度を測定。 結果:直射日光下では、土やコンクリートの表面温度(40~58℃)に比べて草地や芝生の表面温度(36~38℃)は低かった。日陰でも傾向は似ていたが、その差は小さかった。
〔実験2〕打ち水の効果を測定 50cm四方の3区画で、散水なし、採水量250mLと500mLの場合の表面温度の変化を測定。 結果:打ち水により地面の温度は急速に下がった。1時間経過後でも散布の有無による温度差が約20℃と効果は持続し、散布水量が違っても結果に違いはあまり見られなかった。
〔実験3〕色による熱吸収の違いを測定 布(フェルト)の色(白・黄・赤・青・黒)による表面温度の変化を測定。 結果:日向では、開始直後から白~黒の順に温度が上昇した。20分間の測定による上昇は白と黒で最大で約30℃。日陰での大きな差は認められなかった。
〔その他参考実験〕遮光の有無による密閉空間内部の温度を測定。 1辺20cmの直方体容器内温度変化を、遮光なし、内側遮光、外側遮光の3条件で測定。 結果:開始時33℃であったが、2時間経過後の内部温度はそれぞれ58℃、40℃、36℃であり、遮光の効果や内側遮光と外側遮光の違いなどが確認された。
実験後は公民館に戻り、「理科自由研究のススメ」として、過去の「小学校理科自由研究」の受賞者で、小学校、中学校を通して研究を進めた植田小学校の先輩・鈴木心彩さん(磐城高校2年生)による発表を行いました。小学校時代の作品やポスターを展示して、自由研究の楽しさと意義を後輩小学生たちに伝え、奮起を促しました。お話の中で鈴木さんが「自由研究への挑戦は自分にとっての宝物です」と語っていたのはとても印象的でした。小学生から活発な質問も出るなど、大きな刺激となったようです。
最後に支援者が準備した「浮沈子」をお土産として手渡し、閉会しました。
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赤沼地区水環境調査出前講座を4年振りに実施(0B16)
8月6日の日曜日に、赤沼地区構造改善センターで出前講座を行いました。当講座は、赤沼地区子供ども会の子どもたちとその保護者が対象で、当日は子ども8名と保護者6名が集まり、NPO7名のスタッフを中心に、地域の水環境調査を実施しました。
9時集合後、最初に原田理事長より出前講座の趣旨説明があり、その後、スタッフ自己紹介、平川事務局長より日程説明という流れで始まりました。 日程説明後、まず「タニシによる水質浄化実験」を行いました。これは、農業用水路から汲んできた水を入れた容器、1つにはタニシを10数個体入れ、もう1つのタニシを入れない容器のものと、水質を比較するという実験です。2時間後に結果をみることにしました。その後、赤沼地区構造改善センター前の農業用水路移動して、水生生物調査と選別・同定を約1時間程度行いました。連日の猛暑で田んぼの水は大分少なくなっていましたが、用水路は適度に水が流れており、子どもだけでなく大人も水に入って大喜びでアメリカザリガニやタニシを網で捕獲しました。同定の結果、生き物は11種類確認されました。一番多かったのが、タニシ60個体以上、次いでアメリカザリガニ54個体、他にアメンボ、モクズガニ、タイワンシジミ、ゲンゴロウ(幼虫)が見つかりました。更に、数の減少が心配されるメダカも多く見られました。同定後は、生物を子ども達みんなで元の用水路に返しました。
構造改善センターに戻り、子ども達は3班に分かれて屋内での水質分析を行いました。1班は、上流(小川江筋)の水、2班は、中流(構造改善センター前)の水、3班は、下流(赤沼川合流点)の水に関して、におい、COD、導電率、透視度、水温を調査しました。結果の数値をレーダーチャートに記入してみると、上流から下流になるに従って、水質が汚れてきていることがはっきりと分かる結果となりました。
水質分析の後、一番初めに行った「タニシによる水質浄化実験」の結果を確認しました。タニシを入れた容器の方が、明らかに水が透明になっていて、タニシが水の中の汚れを除去して浄化してくれたことが分かりました。最後は、全員で針金によるアメンボ製作とペットボトルの浮沈子製作に取り組みました。原理は、表面張力と水圧という小学生の子どもにとってはどちらも難しいものですが、子ども達は一生懸命工夫して製作していました。アルミの針金を丸めて水に浮くアメンボ作りや、クリップにストローを挟んだ浮沈子の浮き作りなど、自分独自の作品を作ろうと保護者やスタッフの助けを借りて、予定の11時50分最後まで熱心に取り組んでいました。
今回の出前講座は、コロナ禍で4年振りの開催となりましが、参加者の中には以前参加した子どももいて、忘れずに講座を楽しみにしてくれていることをありがたく思いました。あらためて、さまざまな事業を継続することの大切さを感じました。講座の最後に、原田理事長が、多くの生物がすめる環境の大切さについて話してくれたことが、将来、子ども達が環境を保全する姿勢に繋がっていくと願っています。暑い1日でしたが、体調を崩す参加者もなく、安全で充実した出前講座を実施できたこと、関係各位に御礼申し上げます。
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好間四小・水環境教育学習-好間川川遊び(0B17)
8月30日(水)に水環境学習・好間川の川遊びのために、好間第四小学校へ行ってきました。環境研究室からは9名が出席し、夏井川流域の会から1名の出席をお願いしました。好間公民館から館長1名、いわき市教育委員会からも3名が出席しました。笹舟を作り、競争などの川遊びをしました。
9時15分に玄関前の校庭で全校生が集まり、開講式を行いました。校長先生のあいさつの後、原田理事長よりあいさつをしました。気温が既に28℃に達していたので、熱中症に注意してスタッフの自己紹介は省略しました。今回は1~6年生まで児童31名全員が参加しました。救命胴衣を着用して、好間川まで歩いて行きました。
好間川左岸に全児童が川沿いに並び、橋本先生より川に入ってからの注意事項を説明けました。また、トラロープを張った先の下流には深くなるので、絶対に行かないよう注意しました。川にスタッフ3人が横に並んで草を流し、川の場所により流れが異なることを実感してもらいました。また、佐藤雅子さんから笹舟の作り方の説明があり、後で競争することにしました。
川の中で、児童は1~3年低学年、4~6年高学年の2班に分かれて行動しました。1~3年生はたも網による生物採集をしました。夢中になって魚や水生生物をたも網で採集していました。箱メガネで川底を眺めている児童もいました。4~6年生は自由に川で泳いでいました。なかには2Lのペットボトルを両脇に抱えて体を浮かせて川流れを楽しんでいる児童もいました。児童の生き生きとした表情が印象的でした。 終わり近くになって全員で笹舟をつくり、学年単位で競争しました。優勝者には拍手で祝福しました。全校生と先生方とスタッフで集合写真を撮りました。
川遊びを約1時間した後で、上段の竹やぶで1~3年生が採集したアブラハヤ、サワガニなど水生生物について簡単な説明をしました。 教室に戻り、着替えてから、閉講式を行いました。児童10名ほどから感想を聞いたところ「カニを捕ったことが、おもしろかった」など好評を得ました。
好間川での川遊びは、コロナのため4年ぶりの開催となりました。今年は天候にも恵まれ、子どもたちは思いっきり川遊びを楽しんだようです。川遊びは、子どもたちが自然と触れ合う貴重な機会でした。水生生物の採集や、川の流れや水温を体感することで、子どもたちは川の大切さや環境保全の必要性を学ぶことができたようです。この環境学習が、子どもたちの自然や環境への関心を高めるきっかけになれば幸いです。
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