2022年9月~12月のいわき環境研究室の活動紹介
平四小・防災環境教育支援講座実施 (0D1)
9月7日に環境教学習支援のために、平第4小学校へ行ってきました。今回は令和4年度最後となる3回目で、防災環境学習支援でした。教育対象生徒は6年生67名で、出席したスタッフは10名でした。
8時30分に開講式を音楽室で開きました。理事長の挨拶の後、スタッフの自己紹介がありました。次に20分間講義をしました。原田先生から地球温暖化と水災害について、橋本先生から夏井川流域の説明と3年前の東日本台風被害について、パワーポイントを用いて説明しました。
9時からは生徒を6班に分けて、各コーナー15分間ずつ6コーナーを体験学習しました。6コーナーとは、1.ジオラマによる防災施設体験、2.流域模型による流域概念体験、3.森林と川の模型を使って、山の保水力を知る実験、4.森林や土にどの程度の保水力があるかの実験、5.砂で作った川で、流れと共に川筋がどのように変化するかの実験、6.水災害にあった場合の心得 でした。各コーナーとも、時々「すごい」などの声があがり、夢中に取り組んでいたことが、よくわかりました。
全体で1時間半の体験学習が終わった後に、音楽室に戻って、アンケートを全員に記入していただきました。閉校式で、生徒に感想を聞いたところ、「環境研究室で作った模型を使っての体験学習だったので、よく理解できた」との声が聞こえてきました。11時に閉講式は終了しました。
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パルシステム福島商品展示会に出展 (0D2)
9月17日(土)に郡山のビッグパレット福島で行われた「生活協同組合パルシステム福島商品展示会」に出展し、会員10名が参加しました。 パルシステム福島は当NPOの賛助会員でもあるため、これまでもイベントへの出展協力をしており今回で4回目となりました。コロナ禍によりビッグパレットで開催は3年ぶりだそうですが、当NPOにとっても大規模なイベントへの参加は3年ぶりとなりました。入場者の制限を行ったため、これまでより小規模の開催でしたが、親子連れなど600人ほどの来場者があったそうで、NPOのブースも大いににぎわいました。
ブースでは活動紹介の他、自然エネルギーを利用した「おもちゃ」の展示や工作コーナーを設けました。どうして?なぜ?と不思議がりながら、浮沈子・反力推進船・針金アメンボなどの工作を行い、完成品はお土産に持ち帰りました。子ども達は工作に熱中していましたが、保護者も興味津々で眺めながら、原理を説明したパンフレットを持ち帰っていました。また、これまでの経験から、比較的低年齢の子どもが多く来場することが予想されましたので、そのために用意した「輪ゴム」を使った「パッチンカエル」なども好評でした。用意したキットは、3時間の開催時間でほぼ無くなり、参加したNPOのメンバーにとっても励みとなるイベントとなりました。
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好間四小「川の学習のまとめ」の授業参観 (0D6)
12月3日の土曜日9時から好間第四小学校で行われた、「川の学習のまとめ」の授業を参観してきました。5、6年生9名が3班に分かれ、これまで当会が学習支援を行った内容をパワーポイントのスライドにして、学んだことを発表する授業でした。最初の班は、好間川の「水生生物」について発表しました。きれいな場所を好む生物が多かった、たくさんの種類の生物がいた、水生生物は見つけにくいところにいた、という結果を導き出した点が、よかったです。この結果をまとめるのに苦労した様子が、感想から伝わってきました。2番目の班は、「水質調査」について発表しました。パックテスト、におい、きれいさ(透視度)を調べた結果から、好間川の上流ではきれいな水が、下流になると汚れてくることがよくわかりました。ごみのポイ捨てをしないなど、対策にも踏み込んでいたのが印象に残りました。最後の班は、「防災学習」について発表しました。川の構造、水害を防ぐための森林、砂防ダムや堤防の重要性など、防災について、よくまとめられていました。また、災害が起こってしまった時は、命を守る行動、助け合うこと、そして普段の備えが大切だということが、聞いている者によく伝わりました。
どの班もパソコンを活用し、クイズを盛り込んだり、写真やイラストを入れたり、工夫した発表で、参観していた保護者のみなさんも感心した様子でした。子どもたち一人ひとりが感想を述べた後、先生の「まとめから分かったことは?」という質問に対して、次々に意見が出され、川や自然環境の保全に積極的に取り組もうとする姿勢が育っていると感じました。今後も当会の活動が、このような成長の一助になればと思います。よい発表会を参観する機会を与えてくださった校長先生はじめ、好間第四小学校に関係する皆様ありがとうございました。
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第2回水環境・生物調査のための環境まちづくり担い手育成講座 (0D7)
令和5年1月17日に、福島高専都市システム工学科棟2階の第1多目的演習室において、第2回環境まちづくり担い手育成講座を開催しました。第1回目の講座と同様に、当NPOが実施する小学校学習支援講座の支援者育成という視点から、NPOメンバー以外の若手人材に支援学習の内容を体験してもらい、学習支援の内容や使用教材の課題等について意見交換を行い、それらの改善を図ることを目的としています。
今回も福島高専の学生に6名に参加してもらい、水環境や生物調査をテーマに育成講座を行いました。講座では、最初に小冊子「川の水質調査」の概要を説明の後、水環境調査として、臭気、透視度、導電率、COD(パックテスト)の測定、水生生物の調査をおこないました。講座に実際に使用した河川水と水生生物のサンプルは、藤原川水系釜戸川と鮫川水系四時川から当日朝に採取したものでした。 はじめに五感によるにおいの測定を行いました。学生たちもはじめての挑戦で、臭気物質を気化させて行う官能試験の体験を行いました。次に、透視度計によるにごりの測定でしたが、学生実験で使用した透視度計を改良したサイフォンによる水面の上下が可能な透視度計の使いやすさに驚いていました。さらに、導電率の測定では、これまで学生実験で扱ってきた単位(マイクロジーメンス毎センチメートル)と違う単位(ミリジーメンス毎メートル)にやや戸惑うケースもありましたが、実験の後で説明を聞いてその違いについても理解を深めることができたようでした。その後、CODパックテストの測定を行いましたが、学生たちはこの方法を経験したことがなく。簡易的に水の汚れを計測することができることに驚いていました。 水環境調査の後に生物調査として、水生昆虫の幼虫について説明を受けながら分類を行いました。化学分析のように瞬間的な水質の評価ではなく、一定期間その生物が生息可能な環境であったことが推定できる評価手法であることを理解して、確認できた生き物と水質ランクとの関係を理解したようです。 これらの測定のあとで、指導者から2つのサンプルの水環境の傾向をレーダーチャートにまとめた水質の結果や確認された水生昆虫の結果を用いて、2か所の違いなどの説明を受けました。水生生物による調査の結果と、化学分析による水の測定結果に関連性があることを実際に体験できてとても納得したようでした。
最後に参加した学生たちから、以下のような感想や意見が寄せられました。 ・ふだん川のことを学ぶ機会がないのでこのような体験ができて良かった。 ・水質分析を実際に一人ずつ体験できるのはとても良かった。
・パックテストのように色で判断できるなど調査方法が小学生にもわかりやすく、説明も丁寧におこなわれていて良かった。 ・化学分析の結果をレーダーチャートに図示するとサンプルごとの傾向がわかりとても良かった。
・透視度計に工夫を凝らした改良を加えたのはとても使いやすく興味深く思えた。 ・小学生が対象だからと言ってすべて平易な表現にするのではなく、少し高度な説明もわかりやすく織り交ぜながら進めることも好奇心を抱かせるうえで必要だと思う。
私たちNPOメンバーも若い学生から大いに刺激をもらい楽しいひと時でしたが、参加学生からいただいたコメントなども、今後の講座内容や使用教材の改善に大いに参考にしていきたいと考えています。貴重な時間を割いていただきご参加いただいた福島高専の学生の皆さんに謝意を表して報告といたします。
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